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イタリアのコロナの状況 12/03


"Chi può metta, chi non può prenda"


2020/12/03 新型コロナウイルス イタリアの状況


今年の春頃と秋口からの2度のコロナウイルスの感染拡大は、イタリア経済に深刻な打撃を与えています。


この秋、新たに貧困になった人の数は前年同時期の31%から45%に増加し、カトリック教会の保護団体から食べ物の援助などを受けているといいます。


日本でも、コロナの感染について不安な状況が続いており、医療の逼迫、経済困難者の増加など、対岸の火事ではありません。


政治的迷走、責任のなすりあい…そんなことよりも、社会的弱者を守り、お互いに思いやる心が欲しいものです。



宮本さやかさん(イタリア・トリノ在住 フードライター、料理家)の記事に興味深いものがあったのでご紹介させて頂きます。



(以下、東洋経済オンライン 宮本さやかさんの記事から抜粋)


■「助け合い」が各地で起きている


(中略)民間レベルの助け合いが各地で起きている。

第1波のときにもスーパーマーケットで余分に買い物をして指定のカゴに入れておくという動きや、街の各所に箱があり「可能な人は何か入れて、可能でない人は取って」という活動があった(現在も続いている)。


"Chi può metta, chi non può prenda" 可能な人は入れて、可能でない人は持って行って」と書かれた張り紙。


今年3月、トリノの著者自宅近所の教会前にて(画像は宮本さん撮影)

私(宮本さん)の住むピエモンテ州トリノという街は、常設の青空市場がとても多いのが伝統で、中でもヨーロッパ最大級と言われるポルタ・パラッツォ市場では、毎日午前中、新鮮な野菜や果物、肉に魚、チーズなどの加工食品が売られ「トリノの台所」とも呼ばれている。


そんなトリノの市場の商店主たちが集まり、毎週土曜の午後、その時点での売れ残りを必要な人に無料配布するという活動「サバト・サルバチーボ(食べ物を守る土曜日)」も起きている。これは困っている人を助けるだけでなく、食料廃棄問題にもメスを入れる活動として評価されている。


同様にトリノのレストラン約20軒が集まって、必要とする人に料理を提供する「クチーナ・ソリダーリ(助け合いキッチン)」プロジェクトも始まっている。カジュアルなトラットリアからミシュランのスター付きレストランまで、さまざまな形態のシェフたちが集まり、自らも休業を余儀なくされていながら、すでに3万5000食を提供したという。

無償の助け合いをする人々の話は私たちの心を温め、アフターコロナな未来に向かう希望と活力を与えてくれる。


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